こんにちは。農園も春を迎え作業に追われる日々です。この花は農園で春を告げる一番初めに咲く、北支豆梨(満州豆梨)の花です。この画像は3月27日です。その名の通り中国原産の小さな実の生る梨です。食用にはなりません。
マメナシの花が咲くと始まるのが、受粉のために使う花粉を作る作業、花採りです。この木は長十郎という昔から栽培されている梨です。梨は自家受粉ができない、自分の花粉では受粉しないために違う種類の梨の花粉を使って受粉させます。人工授粉といわれています。よくテレビなんかで報道される耳かきの先のフワフワみたいなもので受粉させているあれです。
風や虫たちの力も借りますが、効率を上げるために人の力も動員します。
梨の花(幸水)です。花粉はピンクに見える葯(やく)という中に入っています。この葯を採取します。
少し膨らんだ蕾がついた枝を切って、蕾をしごいて集めます。
集めた葯です。葯採取機という機械で採ります。脱穀みたいな感じです。この量で600ccぐらいでしょうか、数十本の枝が必要になります。今年はこの容器で20杯ぐらい採取しました。かなり少ないです。
コンパネの上にトレーシングペパーを敷いて、葯を均等にバラまきます。
15段ぐらい積み重ねて温度と湿度管理をして8時間ほど。
葯が弾けて花粉が出た状態です。薄黄色に見えるのが花粉です。
花粉を付けた状態です。ピンクに見えるのは花粉に混ぜる石松子(せきしょうし)と呼ばれる、ヒゲカズラという植物の胞子で、花粉の増量剤として使われています。花粉だけだとあっという間に無くなってしまうからです。着色してあるので作業状況が一目でわかります。3000本ぐらいの木に作業します。 乾燥した気温の高い日に作業します。花の受粉できるタイミングもありますので時間との競争です。
満開の状態です。「梨の花の香りはどんな感じ?」とよく聞かれるのですが。
正直、良いにおいではありません(笑)。むしろ、くさい・・・・ような。悪臭とまでは言いませんが、かわいらしい花の姿にはふさわしくない感じです。すみません夢を壊すようなコメントで。
春の農園は、梨に始まりぶどう・リンゴ・キウイ・レモンと大忙しです。それではこのへんで。
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